2019年(令和元年)の夏の土用の丑の日は7月27日土曜日です。夏の土用の丑の日といえば現在は鰻が有名ですが、土用の灸はご存知でしょうか?
俳句の季語辞典を開くと「土用灸どようきゅう (夏の土用にすえる灸) 土用艾 土用の灸」と記載されています。昔の人は夏の土用の丑の日という一年で最も暑さが厳しいと言われる日に、健康を祈願してお灸を据えました。
さて、今年の夏はジメジメとした長い梅雨が開けた後、猛烈な暑さが来るという予報が出ています。このような急激な気温の変化は体の内部環境を司る自律神経に負担をかけ、内臓も弱らせます。体と心は不可分なので、体の中が弱ると今度は精神的にも参ってきてしまいます。こうしたときにこそ昔からの知恵である土用の灸、と言えそうです。
中の沢鍼灸院では夏の時期は消化器官を元気にする「胃の六つ灸」や足の三里の灸をお勧めしています。背中が張っていて内臓の疲れが出ているかな、という人は背部の左右三ヶ所ずつに灸を据える胃の六つ灸が特にお勧めです。灸点紙や焙烙(ほうろく、素焼きの皿)などを使い、火傷を作らず熱くなく、気持ちのいい土用灸を据えて差し上げます。ぜひご利用ください。

こちらは焙烙を利用したびわの葉灸
参考/『季寄せ』角川学芸出版